
ような文化に関する多彩な動きを文化庁などが非常にバックアップいたしまして、それでこのアートマネージメントという言葉が非常に盛んに起こってくるようになったわけです。 我々は、もちろんアートのインサイドでマネージメントをしておりまして、マネージメントという役割は非常に大事であるということはしょっちゅう自覚しておりましたので、外からそういうふうに言っていただくのは大変ありがたいのですが、これはいわば音楽というか、アートのインサイドから起きてきた声ではございませんで、つまり今言ったようにアウトサイドの方々から、このアートマネージメントという言葉が盛んに言われるようになった。このことは非常にありがたいのですが、また同時に、ちょっと戸惑いも持っていないと言えばうそになるというのが現在の状態です。 その辺のところをもう少しわかりよくご説明してみたいと思うんですが、アートマネージメントというのは何なのか。アートといえば、いわゆる文学だとか絵画だとかというようなものから舞台芸術まで、同じ舞台芸術でもオペラとか演劇のようにかなり具体性を持ったもの、それからクラシックの音楽のように非常に抽象的なもの、これをひっくるめて全部同じだということは当然ありませんで、一言に言ってしまうのは大変難しいんです。それで、音楽の場合のアートマネージメントというのが何なのかを考えて見たいと思います。 資料1をちょっとごらんいただきたいんですが、その資料1を見ますと、一番左側に「発信者」という大きな枠がありまして、真ん中に「仲介者」という枠があって、一番右側に「受信者」という枠がございます、音楽の場合ですけれども、このように発信者は作曲家、演奏家というようなアーチストの部分ですね。それから、受信者というのは、それを享受する聴衆、一般市民という部分です。ここの間の橋渡しをする役割のすべてをアートマネージメントと言うんだということになっております。 これを音楽的な言い方で言い直しますと、発信者というのは、つまり創造者ということになりますね。創造行為というふうに言います。それから、受信者というのは、享受者という言葉を使います。受けて楽しむ人ということです。その間の仲介者、これがアートマネージメントだというふうに考えて差し支えないと思うんです。 私がさっきお話しいたしました音楽のインサイドでのオーケストラのマネージメントというのは、この図で説明して、真ん中のところに位置してそれでいいのですが、私たちはむしろ創造者の枠の中に、さっき表裏一体という言葉を申し上げましたけれども、アートと一体であって、創造行為の枠の中にあるものだというふうに実は思っておりました。音
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